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美容室の日

11月の週末。
私と子供は七五三の準備で、いきつけの美容室を何ヵ月も前に予約していた。
私のカットとカラーが終わったタイミングで、子供がカットの予定。
モラ夫には何ヵ月も前から、私の不在中に子供を見てね、後から美容室まで連れてきてね、と頼んでいた。

美容室は、大手美容室から独立して日の浅い、個人経営の小さなお店だ。
我々が急にキャンセルしても代わりのお客様はいない。
また、今回は翌週に七五三を控えた事前準備で、翌週に振り替える訳にもいかない。
モラ夫はまた、子供を見ないと言い出すのではないかと心配で(過去に同じ嫌がらせをされている)、祈るような気持ちでこの日を迎えた。

…嫌な予感は的中した。
朝から、モラ夫は子供の着替えがないだの(タンスにある)、今日のスケジュールを聞いていないだの(何ヵ月も前から伝えている)、モラモラしてきた。
無視してもいけないが、丁寧に答えると益々つけ上がる事はこの4年半で実証済なので、淡々と接していた。

するとモラ夫は言い放った。
「そっちがそういう態度でくるなら、子供は見ないからな!」
キターーーーーーーーーー!!

モラ夫が子供を見なければ私は美容室に行けなくなる。
私の美容室の日は、嫌がらせの格好のチャンスなのだ。

モラ夫も同じ美容室に行っていて、美容師さんとは私よりも付き合いが長く、仲がよい。
私がキャンセルしたら美容師さんが困るのは知っているはすだ。
態度と言うが、そもそも先日子供にバカと言って以来、モラ夫は私に対して冷たい態度をとり続けていた。
そこまでされても、私がモラ夫に違う返し方をすれば良かったのか?
そうしたら、なんやかんや別の理由を探し出して子供を見ないと言っただろう。
元々今日は私に嫌がらせするつもりで、子供を見る気なんかさらさらなかったのだ。
そして、私が下手に出ても、結論は覆らないし、次の家庭内いじめのネタを提供するだけという事もよく知っていた。

美容室の日のいじめは既に二回目、私は意外にも冷静に返した。
「今日は七五三の準備って伝えていたよね?別にいいよ。当日にキャンセルしたら美容室が困るだけだから、子供だけカットしてもらうから。」
モラ夫は私が動揺しなかったのが気に入らない様子で、苦虫を噛み潰したような顔をしたが、少しして
「子供だけカットしてもらえば、別にあなたの髪をカットする必要はないからな。」
と言い放った。
はぁ?今回、私も和装するんですけど?家族写真も取るんですけど?
と思ったが、どうせ何を言っても無駄なので放っておいた。

子供と家を出て、慌てて美容室に電話して事情を話した。
子供は美容室の机でお絵かきをしながら待っていてくれ、何とか私もカットとカラーを済ませることができた。
七五三準備だからと状況を察して対応してくれたが、毎回こうはいかないだろうと申し訳なく思う。
次の予約はどうしようか。私の置かれた状況では、個人経営のお店に通うのは分不相応なのか。

我が子と年の近いお子さんがいらっしゃるサブの美容師さんが言った。
「大変ですね…。うちも旦那の言い方で頭にくることはいっぱいあるんですけど、我慢してるんですよ。自分も仕事していて、旦那に協力してもらわないと成り立ちませんから。」

…何気ないこの言葉が、後からじわじわ来た。
ひょっとして、私の我慢が足りないのかな。
共働きに旦那の協力が不可欠なのは、我が家も同じだ。
私も2年半、モラ夫の暴言DVを大した反論もせず我慢したんだけどな。
私が我慢しても、モラ夫は増長するだけで事態は悪くなる一方だったのに。

私はモラ夫から受けた嫌がらせで奥底にダメージを受けていたせいか、軽く落ち込んでしまった。
夫からのモラルハラスメントにあった事のない人には分からないものだ、と理解はしていたつもりなのだが…。
今回モラ夫の嫌がらせには動じなかった私だが、私はどうすれば良かったのか、何が正しいのか、分からなくなってしまった。

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